Yamanashi 2025 ~ A Day In The Life Of Kofu Vol.1 – 甲府駅、藤村記念館、舞鶴城公園(甲府城跡)
甲府駅周辺、2025年の現在地 – UFOと戦国、近代建築が交差する街
2025年、甲府駅周辺は例年とは少し違う空気をまとっている。その理由のひとつが、日本三大UFO事件のひとつとして知られる「甲府事件」から50周年という節目だ。1975年に市内で起きたとされる未確認飛行物体の目撃・接触事件は、半世紀を経た今、単なるオカルトではなく、地域の記憶と物語として再編集されつつある。駅周辺ではUFOをモチーフにした企画展示やイベント、関連グッズの展開など、観光とカルチャーを横断する動きが活発化している。
だが、甲府の魅力は決してUFOだけではない。むしろ、この街の面白さは時間軸のレイヤーが極端に重なっている点にある。
駅からほど近い場所にある舞鶴城公園(甲府城跡)は、その象徴的存在だ。16世紀末に築かれた甲府城は、白壁が折り重なる姿から「鶴が羽根を広げたような城郭」と称され、舞鶴城の名で親しまれてきた。現在は公園として整備され、当時の石垣や復元された門、稲荷櫓などが静かに往時を語っている。天守台に立てば、甲府盆地を360度見渡す眺望が広がり、季節や時間帯によってまったく異なる表情を見せる。
春には約160本の桜が石垣を囲むように咲き、遠景の富士山と重なる光景は、観光名所でありながらも地元の日常に溶け込んだ風景だ。
近代へと時代を進めると、もうひとつ注目すべき建物がある。藤村紫朗記念館だ。1875年(明治8年)に学校校舎として建てられたこの擬洋風建築は、国の重要文化財に指定されている。山梨県令だった藤村紫朗が推進した「藤村式建築」は、甲府の街並みに近代化と洋風意匠を持ち込んだ象徴であり、現在は彼の遺品や教育資料を展示する記念館として活用されている。城郭の石と、西洋建築の木造意匠が徒歩圏内に共存する点も、この街の密度の高さを物語っている。
歴史と並行して、自然もまた甲府の重要な文脈だ。市街地から少し足を延ばせば、昇仙峡の切り立った渓谷と清流が現れる。都市と自然の距離が極端に近いことも、甲府という土地の特徴だろう。
食の面では、フルーツ王国・山梨の名に違わず、季節ごとの果物、そして日本有数のワイン産地としての顔がある。駅周辺の飲食店でも、地元産ワインを気軽に楽しめる環境が整いつつあり、観光客だけでなく地元の人間の生活にも自然に溶け込んでいる。
加えて近年は、甲府が古くから誇る宝石研磨・ジュエリー産業や、駅近の温泉施設なども再評価され、短時間滞在でも「甲府らしさ」に触れられる導線が増えてきた。
UFO事件50周年という非日常を入口に、戦国史、明治の近代化、自然、産業、食文化が折り重なる甲府駅周辺。ここは単なる地方都市ではなく、時代の断層が露出した場所だと言っていい。2025年の甲府は、その重なりをあらためて可視化し始めている。

















































