Nagano 2026 ~ A Day In The Life Of Suwa City ~ Suwa Grand Shrine Kamisha Honmiya

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Nagano 2026 ~ A Day In The Life Of Suwa City ~ Suwa Grand Shrine Kamisha Honmiya

山に向かって拝むということ

Suwa Grand Shrine Kamisha Honmiya(諏訪大社 上社・本宮)

諏訪大社・上社本宮を訪れてまず感じるのは、「視線の向き」である。鳥居をくぐり、拝殿に立った瞬間、自然と身体は背後の山へと意識を向けさせられる。ここには、本殿がない。代わりにあるのは、拝殿、幣拝殿、勅願殿、そしてその奥に広がる御神体山。守屋山。諏訪大社・上社本宮は、建物を拝む場所ではなく、山に向かって拝む場所なのだ。

前宮から本宮へ – 信仰が「形」を得た場所

今回の参拝は、茅野駅から前宮を経由し、本宮へ向かう行程だった。前宮が諏訪信仰の発祥地であり、極めて原初的な性格を持つ場所だとすれば、本宮は、信仰が制度化され、可視化された場所と言える。前宮で感じた水と土地の気配に対し、本宮では明確に「人の営み」が前に出てくる。それは神威を弱めるものではなく、むしろ長い時間をかけて神と人が折り合いをつけてきた痕跡のように思えた。

諏訪造という、他にない建築

上社本宮に残る建造物の多くは、江戸時代に再建されたものだ。戦国期、織田信長の兵によって焼き払われた過去を経て、徳川家康の寄進などにより、現在の姿が形作られている。中でも目を引くのが、諏訪造(すわづくり)と呼ばれる独特の建築様式と、拝殿を彩る力強い彫刻群である。装飾は華美でありながら、どこか荒々しい。洗練よりも、力そのものを刻みつけたような造形だ。

それは、ここに祀られる神が、都の神ではなく、山と風と武の神であることを雄弁に物語っている。

タケミナカタという「敗れた神」

諏訪大社の主祭神・建御名方神(タケミナカタ)は、『古事記』において敗者として描かれる。国譲りに抗い、建御雷神に敗れ、この諏訪の地に追い詰められた神。だが、本宮に立っていると、その物語が単なる「敗北譚」ではないことが分かってくる。彼はこの地から出ないことを条件に生き延び、やがてこの土地そのものの神となった。中央から見れば敗者。だが、地方に根を張ることで、独自の信仰圏を築き上げた存在。本宮の背後に広がる山は、その象徴のようにも見える。

本殿がないという、決定的な意味

多くの神社では、本殿こそが信仰の中心だ。しかし、上社本宮では違う。拝殿の奥にあるのは建物ではなく、何もない空間、その向こうに続く山。この構造は、信仰の対象が「収められるもの」ではないことを示している。

山は、囲えない。
所有できない。
だからこそ、畏れる。

上社本宮は、神を近づけるための場所ではなく、神との距離を正しく保つための場所なのだと思う。

四社巡りではなく、本宮という核心

諏訪大社は二社四宮から成る。本来であれば、すべてを巡るのが理想なのだろう。だが今回の旅では、時間と移動の制約から、参拝は上社二宮に限られた。しかし、上社前宮から入り本宮へと巡ってみて感じたのは、諏訪大社・上社本宮。それは、諏訪信仰の完成形であり、同時に、いまもなお山に開かれ続けている場所だった。

 

 

 

 

 

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