襤褸(BORO)とKAPITALの魅力 ー 15年通い続ける理由

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襤褸(BORO)とKAPITALの魅力 ー 15年通い続ける理由

江戸時代、東北地方の厳しい冬を生き抜くため、人々は使い古した藍染の木綿布を寄せ集め、幾重にも継ぎはぎ、刺し子を重ねながら衣服を修繕してきた。そうして生まれたのが「襤褸(BORO)」だ。

物を大切にし、限りある資源を最大限に活かすという精神と、土着の技が融合したこの布は、いまや世界的に“ART”として認知されている。

KAPITALでは2013年から、岡山・児島のKOUNTRY工場の技術により、その芸術性を再現。「NORA」と「KAYA」と呼ばれる2種類のBOROファブリックを生み出し、オリジナルウェアへと昇華させている。

KAPITALとの出会い

KAPITALに興味を持ったのは、今から15年ほど前。当時、Legs Craftsman Storeの近くに住んでいた私は、散歩の途中でふらりとお店に立ち寄った。そのとき、店員の方と話が弾んだのがきっかけだった。

デニムの加工ものはどれもキャラが立っていて、他にはない存在感があった。特に、KAPITAL × Papillio (BIRKENSTOCK) の「ピカソサンダル」はハイとローの両方を愛用していたほどのお気に入り。壁には、初期にリリースされたオルテガのヴィンテージ・チマヨジャケットを解体し、サイズ感を再構築したダブルネームの一点ものが飾られていた。通うほどに惹かれていく、そんな不思議な魅力を放つブランドだった。

変わらない空気

Legs Craftsman Storeの店長は、後に六本木ヒルズ店の立ち上げ時に異動されたが、今はもうKAPITALを離れてしまったと聞く。それでも、当時から今に至るまで、どの店舗でも変わらず感じる“接客のあたたかさ”と“居心地の良さ”は、見事としか言いようがない。時代が移り、ファッションの潮流が変わり、スタッフが入れ替わっても、ブランドとしての空気感やサービスの本質が揺るがない。これは簡単に真似できることではなく、KAPITALというブランドの哲学そのものだと思う。

NAKED STOREでの再会

コロナ以降はオンラインでの購入が増えたものの、メンテナンスのために久々に訪れたTOKYO NAKED STOREは、相変わらず心地よい空気に包まれていた。スタッフは代替わりしても、対応の丁寧さや温かさは変わらない。シャツのボタン付けをお願いしている間に交わす何気ない会話すら、ここでは特別な時間になる。通販サイトでの購入にはない魅力、それが店舗には確かに存在する。訪れるたびに、気づけばコレクションが増えてしまうのも仕方がない話だ。

15年越しのカードケース

今回、NAKED STOREに在庫がなく、久々に原点であるLegs Craftsman Storeへ足を運ぶことに。この店舗には、私のスタンプカードが15年前からずっと保管されていた。カードケースに丁寧に収められ、変わらず管理されていたことに、ただただ感動した。

通販ではスタンプは押せないけれど、そんなことはどうでもいい。“変わらないこと”と“進化し続けること”の両立、それこそが、KAPITALの魅力そのものだと思う。

変わらぬ本質

KAPITALは、時代がどれだけ移ろっても“心”を大切にしているブランドだ。接客の温度、モノづくりへの情熱、そして遊び心。15年という時間を経ても、通うたびに新鮮で、気持ちが良い。

世界的に知られるようになった今も、「KAPITALらしさ」はまったく失われていない。それこそが、このブランドが愛され続ける理由であり、私が今も足を運び続ける理由だ。

 

 

 

 

 

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