The Christopher Nemeth Store is located just behind Omotesando
表参道の路地裏にひっそりと佇む「クリストファー・ネメス」のショップ。その始まりは、1982年に誕生したセレクトショップ「SECTOR(ゼクトアー)」に遡る。ガレージを改装した小さな空間で、ジュディ・ブレーム、ジョン・ムーア、そして若き日のジョン・ガリアーノといったロンドンの新鋭デザイナーたちを紹介していた。
1986年、そこにクリストファー・ネメスが加わる。日本を拠点に活動を始めた彼は、店の奥にアトリエを構え、瞬く間にゼクトアーの空間を自身の作品で満たしていった。美術を背景に持つネメスは、服だけでなく、店の内装から家具、看板、ペインティングまでを自ら手がけ、“ネメスの世界”を構築していったのだ。1994年の移転を機に店名は「クリストファー・ネメス」と改められ、以来、表参道で唯一無二の存在として彼のレガシーを守り続けている。
近ごろ、自分の中でジュディ・ブレームやジョン・ムーア、ガリアーノといった80年代ロンドンのデザイナーたちが再び気になり始めている。その流れで自然とネメス熱も復活した。今振り返れば、彼らに共通していたのは「服は単なる装いではなく、思想やライフスタイル、そしてアートそのものだ」という姿勢だった。均質化された現代のファッションの中に身を置いていると、あの時代の「尖った個性」や「DIY精神」、「芸術と生活の混じり合い」がひときわ輝いて見える。
表参道に今も残るネメスのショップは、そうした80年代の自由なエネルギーを直に感じられる数少ない場所だ。あの熱量にもう一度触れるために、再び足を運びたくなる。
また、同じ学校の後輩がバイトしているので、若い後輩との話も楽しい。
Louis Vuitton × Judy Blame 2015A/W Collection by KIM JONES


