西武渋谷、最後にもう一度 2026

LIFESTYLE

西武渋谷、最後にもう一度 2026

学生だった1989年頃から、ファッションや音楽を求めて、よく渋谷に通っていた。

当時の自分にとって、渋谷は単なる買い物をする街ではなかった。

新しい服、新しい音楽、新しいカルチャー。
街を歩いているだけで、まだ知らない何かに出会えるような感覚があった。

その中でも、西武渋谷は、自分にとって特別な場所のひとつだった。

今のようにインターネットもなく、SNSもない。
欲しい情報が勝手にスマートフォンに流れてくる時代でもなかった。

だからこそ、実際に店へ行き、服を見て、音楽を聴いて、雑誌を読み、街の空気を感じる。

「何か面白いものはないか」

そんな気持ちで渋谷を歩いていたように思う。

あれから30年以上。

その西武渋谷が、いよいよ終わりを迎える。

そう聞いて、最後にもう一度行ってみようと思った。

本当はスケジュール的に難しいと思っていたので、先月、まずは食べ納めをしておこうと、館内にある「牛兵衛 草庵」に行った。

「これが最後になるかもしれない」

そんな気持ちで食事をしたのだが、思いがけず今回、もう一度行くことができた。

結果的には、それが自分にとって良い締めくくりになったような気がする。

しかも、館内は想像以上の人だった。

どの店もかなり混んでいる。

飲食街は、待ち時間が1時間以上というところも少なくない。

最後だから、ということもあるのだろう。

自分と同じように、この場所に思い出がある人もいるのかもしれない。

昔から通っていた人。

若い頃にここで服を買った人。

誰かと待ち合わせをした人。

初めて聴いた音楽や、初めて買った服を思い出す人。

あるいは、ただ「西武渋谷」という場所そのものが好きだった人。

建物がなくなるということは、単純にひとつの商業施設がなくなるということではない。

そこに積み重なっていた、それぞれの人の時間も、一緒に区切られていくような感覚がある。

もちろん、街は変わっていく。

渋谷も、この30数年で大きく変わった。

昔はなかった建物ができ、なくなった店も数え切れない。

ファッションの流行も、音楽の聴き方も、情報の受け取り方も変わった。

自分が学生だった頃は、雑誌やレコードショップ、洋服屋を巡りながら、自分で情報を探していた。

今はスマートフォンを開けば、世界中の情報が一瞬で入ってくる。

便利になった。

でも、あの頃の「自分の足で探しに行く」という感覚も、今振り返ると悪くなかったと思う。

何かを探して街を歩く。

偶然、知らない店を見つける。

そこで知らない音楽を聴く。

知らないブランドを知る。

そして、次の日には誰かにその話をしたくなる。

そういう小さな発見の積み重ねが、自分の価値観や感性をつくっていったのかもしれない。

今回、西武渋谷を最後にもう一度歩いてみて、そんな昔のことをいろいろと思い出した。

そして、先月「食べ納め」のつもりだった牛兵衛 草庵にも、もう一度行くことができた。

最後だと思っていたものに、もう一度会える。

それだけでも、なんとなく得をしたような、少し嬉しい気持ちになる。

人生も、街も、ずっと同じではいられない。

なくなってしまうものは、これからもたくさんあるだろう。

でも、そこで過ごした時間までなくなるわけではない。

1989年頃、ファッションや音楽を求めて渋谷を歩いていた自分。

そして、30年以上経った今、同じ場所を歩いている自分。

街は変わったけれど、その場所に立つことで、昔の自分と今の自分が一瞬つながったような気がした。

西武渋谷の最後を見届けることができたこと。

そして、最後だと思っていた牛兵衛 草庵にも、もう一度行けたこと。

混雑していて、1時間以上待つ店もあったけれど、それも含めて「最後の日々」なのだと思う。

長い間、ありがとう。

そして、さようなら。

渋谷の街がまた変わっていく。

でも、自分の中に残っているあの頃の渋谷は、これからも消えない。

おまけで、反対側にあるバンダイナムコ Cross Store MAGNET by SHIBUYA109店へ

人気のTamagotchi Paradiseの新色などが売っていたので、子供たちへ買ってみた。

 

 

 

 

Related Articles

Recommend

TOP