倉庫整理で懐かしのT-Shirts発見 2026
ドイツの老舗カットソーを愛用して分かった品質と、「袖が長すぎる」問題
インナーウェアやカットソーには、流行とは関係なく、気がつけば何年も何年も着続けているものがある。自分にとって、その代表格がドイツの老舗ブランドだ。
まずは、1875年にドイツで創業された老舗インナーウェア・アンダーウェアメーカー、Schiesser(シーサー)。
2005年頃からベルリンへ行く機会が増え、街を歩いていてSchiesserの直営店を見つけたのがきっかけだった。そこで購入したヘンリーネックやハーフスリーブのカットソーを、それからずっと愛用している。
そして、もうひとつがMerz b. Schwanen(メルツ・ベー・シュヴァーネン)。
1911年にバルタサール・メルツ(Balthasar Merz)がドイツ・シュヴァーベン地方で設立した、歴史あるヘリテージウェアのカットソーブランドだ。
こちらは2010年頃だったと思う。アメカジブランドをセレクトしている[14OZ.]でMerz b. Schwanenを見つけ、それ以来、オンラインサイトを利用して輸入したりしながら、ロングスリーブやハーフスリーブのカットソーを愛用している。
この2ブランド、もうかなり長い付き合いになる。そして面白いのが、どちらも何年も、何度も、何度も着ているのに、なかなかヨレヨレにならないこと。もちろん洗濯をすれば多少の変化はある。しかし、「もうそろそろ部屋着に降格かな」と思ってからが長い。普通なら、長年着込んだカットソーは首元が伸びたり、生地がクタクタになったりして、「はい、お疲れさまでした」という感じになる。ところが、この2ブランドはなかなか引退してくれない。むしろこちらが先に飽きそうなくらいだ(笑)。それだけ生地や縫製、そして昔ながらのものづくりに対する考え方がしっかりしているのだと思う。
ただし、ドイツブランドにはひとつ問題がある。サイズ選びが難しい。
いや、正確に言えば、「日本人の感覚でサイズを選ぶと、たまに大事故になる」のである。
自分は身長180cmを超えている。日本では「まあまあ長身」の部類に入ると思う。ところがドイツへ行くと、話が変わってくる。ドイツ人、普通にデカい。こちらが「180cm超えてますけど」と少し胸を張っても、「だから?」という世界である(笑)。
そのため、ロングスリーブを購入するときは袖丈に注意が必要だ。身幅はちょうどいい。肩もいい。着丈も悪くない。「おお、完璧じゃないか!」と思って鏡を見る。
ところが腕を下ろしてみると、袖が余っている。いや、余っているというより、「これ、親指まで覆うつもりですか?」というくらい長いことがある。ドイツ人にとっては普通なのだろう。しかし日本人の自分が着ると、ちょっとした萌え袖状態になる。
しかも困るのが、身幅とのバランス。例えば「Lサイズだから大丈夫だろう」と思って買ってみると、意外と身幅がスッキリしている。「あれ?Lなのに細いな……」となる。そこでXLにすると、身幅はちょうどいい。しかし今度は、袖がさらに長くなる。「身幅を取るか、袖を取るか。」まるで人生の選択である(笑)。
この問題、実はドイツブランドだけではない。北欧のアウトドアブランドなどでも、似たようなことが起こる。日本人の平均的な体型を基準にすると、「身幅を合わせたら袖が長い」「袖を合わせたら身幅が合わない」という、なんとも悩ましい状態になることがある。
だから、海外ブランドのカットソーを購入するときは、単純に「普段LだからL」という選び方をしない方がいい。身幅、肩幅、着丈、袖丈。できれば実寸を確認して、可能なら試着する。特にロングスリーブは袖丈を確認した方がいい。
オンラインで購入する場合も、手持ちのTシャツやカットソーの寸法と商品実寸を比べてから買うのがおすすめだ。とはいえ、多少サイズ選びに苦労してでも、長年着続けたくなる魅力があるのも事実。
SchiesserもMerz b. Schwanenも、流行を追いかけるというより、長く着ることで良さが分かってくるタイプの服だと思う。
2005年頃にベルリンでSchiesserを見つけ、2010年頃にMerz b. Schwanenを知って、それから何年も着続けている。気がつけば、どちらも自分のワードローブの中ではすっかり定番になっていた。そして今でも着るたびに思う。「やっぱり、この生地いいな」と。
ただし最後にひとつ。
身長180cm超えの日本人だからといって、ドイツブランドで安心してはいけない。
ドイツでは、それくらいでは「長身」というほどでもない可能性がある(笑)。むしろ、「身長はドイツ基準、身幅は日本基準」くらいの気持ちでサイズを選んだ方がいいかもしれない。長く着られる良い服ほど、買うときには慎重に。
そして袖が長かった場合は……。
「これはドイツ人仕様なんだ」と、潔く受け入れよう(笑)。
そして、長く着たくなるアメリカのカットソー VELVA SHEENとJAMES PERSE
アメリカのカットソーやスウェットには、単純に「高品質」という言葉だけでは表現できない魅力があります。生地の風合い、縫製、シルエット、そして何より、何度も洗って着込んでいくことで少しずつ自分の身体に馴染んでいく感じ。
そういう意味で、日本でメジャーなアメリカブランド以外で個人的に好きなのが、VELVA SHEEN(ベルバシーン)です。
VELVA SHEENは1932年、オハイオ州シンシナティで創業したブランド。アメリカ海兵隊のコスチュームボディとしても使用されていたほど、クオリティーに対する信頼があったブランドです。
そして何より好きなのが、創業以来の「MADE IN USA」という姿勢。
当時の縫製方法をベースにしながら、デザインや生地を現代に合わせて復刻している。そのため、単なるヴィンテージの再現ではなく、今着ることのできるアメリカ製のTシャツとして成立しているところが面白い。
新品の状態で完成されすぎている服ではなく、着て、洗って、また着ていく。その繰り返しの中で、少しずつ自分のものになっていく。
Tシャツという非常にシンプルなアイテムだからこそ、素材や縫製、ボディの作りの違いがストレートに出る。そういうところに、アメリカ製のカットソーの面白さがあると思っています。
そして、個人的に長く愛用しているのが、JAMES PERSE(ジェームス パース)です。
JAMES PERSEは、1994年にデザイナーのジェームス・パースがロサンゼルスでスタートさせた、LA発のハイクオリティなカジュアルウェアブランド。
僕自身、LAやラスベガスに行くたびに、直営店をはじめいろいろなところでアイテムを購入してきました。パイル素材のアイテムももちろん好きなのですが、長年着続けているものを振り返ると、やはりカットソーやスウェットが多い。
JAMES PERSEのカットソーやスウェットは、一見すると非常にシンプルです。でも、実際に着てみると、生地の質感、柔らかさ、シルエット、そして身体に馴染んでいく感じがとてもいい。
「普通のTシャツやスウェットなのに、なぜか格好いい。」
僕にとっては、そういう服です。
ひとつ強く記憶に残っているのが、RICK OWENSとの関係です。
2006年くらいだったと思いますが、RICK OWENSがメンズでレザーアイテムやハイカットスニーカー以外でも徐々に注目され、世界的に売れ始めてきた頃、ベルリンのApartmentでRICK OWENSとJAMES PERSEが一緒に並んでいた印象が強く残っています。
当時、RICK OWENSはもちろん魅力的でしたが、価格を考えるとJAMES PERSEのほうが手を出しやすかった。そのため、RICK OWENSの世界観が好きな人でも、カットソーやスウェットはJAMES PERSEで選んでいた人は、当時かなりいたんじゃないかと思います。もちろん、両者はまったく同じブランドではありません。
RICK OWENSには独特のモード感や造形があり、JAMES PERSEにはLAらしいリラックスした空気感がある。でも、洋服そのもののクオリティーを考えると、JAMES PERSEは個人的にかなり信頼できるブランドです。僕自身、長年着てきたからこそ、そのクオリティーには太鼓判を押せます。
VELVA SHEENとJAMES PERSE。一見すると、ブランドの成り立ちも方向性も違います。VELVA SHEENには、1930年代から続くアメリカのものづくりと「MADE IN USA」という背景があり、JAMES PERSEには、1990年代のLAから生まれた上質なカジュアルウェアという魅力がある。でも、僕がこの2つのブランドに惹かれる理由は、意外と共通しています。
シンプルだけど、ちゃんといい。
そして、流行が変わっても着続けることができる。Tシャツやスウェットは、ファッションの中では決して派手なアイテムではありません。だからこそ、素材、縫製、シルエット、着心地といった基本的な部分が重要になる。何年もクローゼットに残り、気がつけばまた手に取っている。
僕にとってVELVA SHEENやJAMES PERSEは、そういう「長く付き合えるカットソー」の代表的な存在です。


